火を燃したり

風のあひだにきれぎれに考へたりしてゐても

さっぱりじぶんのやうでない

塩汁をいくら呑んでも

やっぱりからだはがたがた云ふ

 

誰がのろのろ農学校の教師などして

一人前の仕事をしたと云はれるか

それがつらいと云ふのなら

ぜんたいじぶんが低脳なのだ

ところが怒ってみたものの

何とこの焔の美しさ

 

 

宮沢賢治「林中乱思」より

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