皆さんこんにちは。このサイトの制作、運営をしております、平井と申します。私は、以前は私立の女子校で、講師の仕事をしておりました。その学校を辞めて、一時アルバイト生活をした後、都立学校の講師となり、定時制高校の日本語クラスや養護学校などあちこちの学校でいろいろな経験をしました。その後も何度か教壇を離れたことがありましたが、臨時的任用教員を経て最近ようやく、都立高校の教師として採用され、本日に至っています。本当は、このサイトに載せているような話を、ほんの少しでも生徒達に話してあげたいと思っているのですが、なかなかそういう機会も持てずに仕事に追われてしまっているのが実情です。

 

 「侍ジャイアンツ」の主人公、番場蛮は、ジャイアンツが嫌いでジャイアンツに入団し、だからこそ真の「侍」であったわけですが、私は何度も学校という現場から逃げたことがありました。自分が学校を離れた大きな理由の一つは、単純で個人的で利己的な理由です。登りたい山があったからです。…講師時代には長い休みがあったので、それを利用して自分は南米大陸最高峰の山アコンカグアへ登りに行きました。が、無理な計画から一種の高山病を体験し、帰国後には入院、手術ということにもなってしまいました。そのせいで一ヶ月間学校を休んでしまったのです。それで山を諦めたかというとそうではなく、もう一度アコンカグアへ行くのに何かあってもいいようにと、学校の仕事は全て辞めてしまったのでした。…結局、長い休み(無職の時代)の間に、アコンカグアへは二度登りに行きました。さらには次の目標の山、マッキンリーを目指してアラスカへも出かけ、2006年の初夏、北米最高峰マッキンリー山の登頂も果たすことができたのでした。

 

 もうずっと昔のことですが、友人と話しているときに、「ヒラサ(私のことです。)の夢って何?」と聞かれました。私が、う~ん、と考えていると、「すぐに答えられないんじゃぁ、夢なんかないんだね。」と言われてしまったので、慌てて、「山に登っていたい。あとやっぱり、ちゃんとした学校の先生になりたい。」と答えました。するとすぐまた、「でもさ、夢は一つにしないと、結局どっちもダメになるんじゃないの?」と言われてしまいました。

 このことでは私はこんなことを思うのです。山のことを学校で教えたい。あるいは、山で教えていたい、と。(ここで、「山」を、「旅」とか「生き方」といった言葉に換えても、私の考えていることに近いような気がします。)そう考えると今の自分は、夢からは一歩遠ざかっているのかもしれません。
 しかし、なんとか学校の仕事にかじり付いた私は、自分のため、だけではなく、今まで自分がかかわってきた生徒たちや、これから出会うであろう子供たち、そして、自分のことを信じてくれている大切な人のためにも、何かを発信する大人でなければ、と思ったのでした。「山のことを教えたい」…この夢には、終わりはないような気がしています。そしてその、夢を叶える手がかりの一つとして、こういう方法もありかなぁと思ったのが、インターネットであり、ホームページでもあったわけです。

 

 そういうわけで、こんなサイトを作ってみようと思ったのも、本当は誰に見て欲しいかといいますと、それは、若い世代のこれからの人達、学校の生徒達なのです。ですから、私の姿勢としては、「冒険してみようよ。」「世の中には、こんなに美しい場所があったり、こんな生活、こんな生き方をしている人達もいるんだよ。」という感じになっています。ご不快にお感じでしたら申し訳ありません。その旨、ご了承ください。

  

 今日では、誰もが、パソコン・スマホという手段を使って、情報を個人から世界へと発信できる世の中になりました。ちょっとえいやって努力をすれば、世界のほとんどどこへでも、出かけられるようになりました。…それが、ついこの前までの世界でした。

 2020年の春、新型コロナウイルスの猛威が世界を襲いました。はたして、このコロナ禍の後の世界とは、どのようなものになるのでしょうか。コロナ後、ではなく、コロナとともに生きるには、という意見を述べる人もいます。それでもとにかく、私たちの生活は続きます。私たちはこの世界で、生きていくのです。こんな、ちまちまとした独り言をつぶやくことに意味があるだろうか…という思いはありますが、私は私のできることをしていこうと思っています。自分自身が、この新しい世界を生きていく人間として。これからマイペースで、何かを発信していこうと思っておりますので、どうぞ長〜い目で、よろしくお願いします。この場で出会えた皆さんの人生が、豊かなものとなりますように。

 

2020.5.1  平井 尚志