おもしろくないとか、わけがわからないとか言われたりする一方で、感動したという声もあったりするこの話題作を、どんなだろうという思いで、見てきました。まず自分としては、わりと楽しんで見ちゃったかなぁという印象です。例えば、「千と千尋の神隠し」も、わからないと言えばわからなかったでしょ。ちょっと違うかもしれないけれど、最近読んだ村上春樹の「街とその不確かな壁」も、わからないと言えばわかりませんでした。思うに、「君たちはどう生きるか」と問われているのだから、それぞれ勝手に答えを出せばそれで良いのです。たぶん。
私の見方としては、あぁここはあの作品のあのシーンだ、とか、ここであいみょん起用か、とか、まぁあんまりストーリーとは関係なく、他のジブリ作品を思い出したり、この声優は誰だ?と想像したりして、楽しみました。
作品途中に、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」が出てくるんです。昭和12年の新潮社の初版本だったかな。やっぱりこれは、宮崎監督の最後のメッセージなんだろうなということを感じました。「私はこんな映画を作ってきたけれど、じゃぁ君は、これからどう生きるの?」と、監督が言っているように思いました。ま、大人になるとそんなことを言ってみたくなるよなぁって、思うんです。こう生きなさい!じゃなくて、自分の背中を見せて、じゃぁ君たちはどう生きるの? みたいな感じで。
自分の家にある吉野源三郎は岩波文庫版のものです。今の自分は、監督と同じように「どう生きるの?」と問いかける立場なのかなって思ってます。けれど実は、まだ若かった時にも、つい調子に乗って「どう生きるの?」なんて発信していたことがあったっけと、ずいぶん昔のことを思い出したりもしたのでした。あの時のあの子たちは、今はどうしているのかなぁって、思ったりしたのでした。
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美月 (火曜日, 15 8月 2023 21:46)
先生の問いかけは、
当時私の心に響きましたよ。
あたらめて、ありがとうございました。
山ヤ (水曜日, 16 8月 2023 15:18)
美月さん、こんにちは。元気ですか。
もうずいぶん昔のことをネタにしちゃったけれど、
じゃぁ今の自分はどう生きるの?って、常に自問自答の日々でもあります。
コメントありがとう。
まだまだ前へ進める気がしてきたよ。
お互い、いろいろなこと頑張ろう。