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余命10年

 藤井道人監督作品。小松菜奈・坂口健太郎、主演。「余命10年」見てきました。

 タイトル通りのストーリーで、主人公は死んじゃうんだろうなってわかっているんだけれど、泣けました。加えて、撮影に1年かけたというシーンの数々が、美しかった。さらに、小松菜奈の演技が、たいへん素晴らしかった。主人公、茉莉の生き方に共感できなかったという感想も見かけるけれど、和人と別れて家に帰ってきた時に、「生きたい」ってお母さんの胸の中で泣くシーンは、秀逸だった。

 茉莉の言うように、余命10年は、長いのだろうか短いのだろうか。考えてみれば、人は誰しもが「余命○○年」であって、その○○年を、私たちは精一杯生きていると言えるだろうか。そんなことを、ふと思った。もし自分が余命10年だとしたら、自分は人を好きになるのは止めようなんて思うだろうか。茉莉はどうして、死んでしまおうとは思わないでいられたのだろうか。ちょっと色々なことも考えさせられた、良い映画でした。