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ノマドランド

 クロエ・ジャオ監督作品。フランシス・マグドーマンド主演。「ノマドランド」という映画を見てきた。事前の情報から、想定したとおり、何も起こらない。そして想定したとおり、ジワジワ来た。

 企業倒産の影響で住み慣れた家や町を失った主人公ファーンは、キャンピングカーでの車上生活を始めた。彼女はそれを、ホームレスではなく、ハウスレスだと言う。バンを移動させて拠点を転々とするも、そこには同じような境遇の仲間がいた。時々アルバイトをする。煙草を吸い、排泄し、自然の中でたゆたうようにして生きる。出演しているノマド達は、実在している人達らしく、それがドキュメンタリーのような印象も与えつつ、同時にマグドーマンドの存在感ゆえに、あぁこれはフランシス・マグドーマンドの映画なんだなぁと、ずしんと来る。

 孤独に生きるファーンは、しかし孤独ではないような気もするし、しかしやはり孤独のような気もする。なんじゃそれ。孤独に生きることもある意味幸せなのかもしれない気がするし、しかし人は孤独では生きられない気もするし、そもそも幸せに生きるって何だろう? とか思ったりもした。

 見るべきものを見られたら、幸せか。人生の最期にもう一度見ておきたい景色って、どこの何だろう。

 いつかは、こんなふうに車で旅しながら生活するのもいいかなぁ、とも考えたりした。

 

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コメント: 2
  • #1

    美月 (土曜日, 03 4月 2021 22:22)

    先生こんばんは。
    とても感慨深い映画なのですね。
    予告を観ただけで、胸がいたくなりました。
    私も早く観たいな。
    先生と出会った頃の私の夢は、キャンピングカーで冒険の旅に出る事でした。



  • #2

    山ヤ (水曜日, 07 4月 2021 21:55)

    美月さん、こんばんは。
    「ノマドランド」は、何かしらアカデミー賞を取りそうな評判だね。マグドーマンドの主演女優賞かな。
    キャンピングカーでの旅行は、いつかやってみたいね。ニュージーランドで自転車の旅をしてた時、たいてい街にはキャンプ場があって、キャンピングカーで老人夫婦が旅してたりしていたなぁ。