『人外』(「にんがい」と読む。)という、何とも不思議な小説を読んだ。夏休みだし、こんなのもありか。町田康の『ホサナ』を読んだ時の、なんじゃこりゃ感、みたいな思いもしたかな。不思議な小説だった。しかし思えば、大江健三郎も、村上春樹も、これは何?というものを書いたりするしな。始まりがあって、終わりみたいなもの(そしてそれは、終わりじゃないのかもしれないけれど。)があったのは、良かった。猫のようなカワウソのようなと言うヒトデナシの「人外」の中に人間が見えてくるのは、人の方が人間らしさを失っているからなんだろうなぁと思った。コロナで人類が滅びかけているような未来の世界を垣間見たような気もした。
ニンゲンはなにをやってきたの?
過去からたくさんの贈り物を受けとって、それでもって現在をたのしんで、未来へはになひとつ贈ろうとしなかった。おおむかしに死んだ植物や動物の死骸を燃やして、エネルギーに変えて、文明とやらをきずきあげ、じぶんの安楽、安逸、安寧だけをどこまでも追求した。過去から贈られた財を食べて、わが身をやしなって、栄養分だけをしぼりつくし、あげくに排泄した糞を、それだけを、負の贈与として未来へのこす。それがニンゲンだよ。
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美月 (日曜日, 09 8月 2020 21:16)
こんばんは。
おもしろそうな小説ですね。
早速読んでみます。(˶˙º̬˙˶)*॰
山ヤ (月曜日, 10 8月 2020 22:03)
美月さん、こんばんは。
この小説が、面白いかどうかは、あまり保証は出来ません。ちょっと、ええっ! てなる場面もあったりします。まぁ、刺激的ではあります。
夏休みなので、いろいろなこと、UPしてみたいとは思ってます。
美月 (火曜日, 11 8月 2020 06:06)
ご返信ありがとうございます。
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たのしみにしています。