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シンポジウム 人類はどこへ向かうのか

 総合研究大学院大学創立30周年記念シンポジウムというのが、東大駒場キャンパスであることを知って、出かけてきた。「人類はどこへ向かうのか 好奇心と社会倫理」というテーマで二日間のシンポジウムだが、私は二日目の第二部「人類社会の未来」の方に行ってきた。それは、最近読んでわりと面白かった『AI vs 教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子氏の講演があったからである。

 駒場東大へは、行ったことがあったか無かったか。こんなに駅からすぐなんだと思う。

 構内の銀杏並木はこんな感じ。やっぱり静かで、良い雰囲気の大学だなと思った。

 新井先生の「人工知能がもたらす人間と社会の未来」という講演は、だいたい著書に書かれていたことで、予習済みだったので、話は良く通ってわかりやすかった。悪くいえば新鮮ではなかったな。

 新井先生が、教科書の読めない子どもたちに、大変な危機感を持っていることは良く伝わった。私も、子どもには、まず教科書が読める基礎基本を身につけさせなくては、と深く思った。

 その後の講演、定藤規弘 生理学研究所教授の話も面白かった。「脳科学と進化 サピエンスからネアンデルタールまで」ということで、サピエンスがこれほどまでに進化したのは、小脳の大きさによる学習能力の差のためだということだった。その小脳により、実行機能(作業記憶や認知的柔軟性)が促進され、サピエンスにしかない向社会行動(利他行為)の動因となるのではないかというお話だった。…微妙に難しい。

 ちょっと、もう少し自分で調べてまとめてみたいことが、ムクムクと湧いてきたりした。

 何にせよ、知的好奇心が揺さぶられる、楽しいイベントだった。