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リバーズ・エッジ

 振休だった火曜日、TSUTAYAでDVD「リバーズ・エッジ」を借りてきて観る。

 主人公の二階堂ふみが頑張っていて、ストーリーはあぁそうそうこんな感じだった、と原作本を思い返しつつ、でも、漫画で読んだあの時の気持ちには、なれなかったなぁ。・・・もう、すっかり自分は、おじさんだからだろうな。

 二階堂ふみを見たくて借りてきたわけじゃぁないよ。彼女が、素っ裸でテレビを見るシーンがあって、あまりにあっけらかんとしていて、うちの小学生の娘みたいだなと思った。

 いじめ、暴力、性、生と死、同性愛、・・・漫画を実写化してしまうと、なんだか生活感があるようなないような。さらには、俳優達は高校生らしくなくて、なんか違うなぁと思ったかな。

 原作本の「リバーズ・エッジ」(岡崎京子 宝島社)は、好きな漫画だった。俺が映画に撮りたい、と思っていた。若い頃はね。だから、こんなにずいぶん時間が経って、映画化されると知った時にはちょっと、あ、やられたな、と思った。そして、実写化された映像を見て、漫画の方がいいなと思った。

 丁寧に、90年代の雰囲気を出して作られてはいたと思うよ。エンディングの歌が、まるで小沢健二のパクリだなと思って聞いていたら、本人だったのでビックリした。行定監督が小沢健二を希望したようだけれど。どうなの?

 

 ちょっとネタバレ。

 ラストに近いシーンで、ハルナは引っ越すことになって、山田くんがプレゼントを渡しに来る。そのプレゼントが、漫画では「モンキーズの”HEAD"」だったのに、映画では「ウィリアム・ギブソンの詩集」になっていた。で、ウィリアム・ギブソンって誰だよ!と思った。最後まで観てたら、クレジットに、二人が朗読したのがウィリアム・ギブソンの詩だって、出ていた。

 

 平坦な戦場で僕らが生き延びること

 そうそうこの言葉、岡崎京子のあとがきの言葉かと思っていた。・・・て、だから、ウィリアム・ギブソンって誰だよ。・・・と思って、漫画のページをもう一度捲っていたら、原作でも見開きで、ウィリアム・ギブソンの詩を載せていたんだって今、気付いたよ。若い時にはこんなの、飛ばして読んでいたのだろうか。

 

 今回この映画を観たことの意義とは、このウィリアム・ギブソンの詩を再発見できたことだった、と、日記には書いておこう。