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イチロー、球団特別アドバイザーに。

 イチローのニュースが入ってきた。

 引退、ではないとのことだけれど、今シーズンの出場はないのだとか。なんだか複雑な気持ちになってくる。ただ、イチロー自身はいつものように、さばさばしていて、なんだかやっぱり、凄い人だと思えてきた。

 

 2004年のイチローは、本当に本当にもの凄かった。もうずいぶん昔のことのように感じるけど。もうずっと昔から、イチローは走り続けていたんだなって思った。今はとりあえず、お疲れさまと言っておこう。 

 その年の10月に、自分はこんなことを書いていた。

 

 高校時代の部活の先輩に、大学でプロレス研究会に入っている人がいた。当時、若造だった俺はワクワクしながら「先輩が一番強いと思ってる人って誰ですか?」と聞いてみた。(やっぱり猪木かな? それともホーガン? リック・フレアー?)一橋大に通っていた憧れのその先輩は、ニヤッと笑ってこう答えた。「馬場だよ。」

 げげ~!! マジっすか! ・・・。だって、その頃からG・馬場には、既に王者の風格はなく、ひょろっと背の高いおじいさんくらいにしか俺は思っていなかったから、先輩のその答えは、なんだかかなり衝撃的だったりした。・・・世界最強のG・馬場という男を、僕らは知らないんだというこの事実!

 確かに僕らには、体験できなかったことや知らないことがいっぱいだ。力道山の活躍なんて言わずもがなだけれど、僕らは長嶋茂雄の天覧試合でのサヨナラホームランを知らない。東京五輪で東洋の魔女と呼ばれた女子バレーチームを知らないし、メキシコ五輪で銅メダルを決めた釜本のシュートも知らないんだ。王さんの 756号は小学校の頃で、世界記録という意味って、たぶん自分にはピンと来なかった。・・・・。だけど、

 

 僕らの時代には、イチローがいて、僕らはイチローを目撃した。

 

 イチローの、シーズン258安打記録の瞬間の動画は、こちら