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じぇじぇじぇ!と、北三陸久慈・あまちゃんツアー

 なめとこ山通信 35

 皆さんこんにちは。本当に暑い夏ですね。お元気にお過ごしでしょうか。私たち家族は、この夏を少しでも涼しく過ごそうと考えて・・・と言うわけではないのですが、北三陸の久慈へ、観光ツアーに行ってきました。そうです、そうです、今回のなめとこ山通信は、今、最も(我が家では)熱い、あの町への訪問記です。今回は、写真たっぷりで、どうぞ。

 皆さんは、NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」をご覧になっていますか? 「いや、知らないなぁ~」・・・なんておっしゃるなら、こっちは、「じぇじぇじぇ!」って言ってしまいますよ。「あまちゃん」は岩手の北三陸の町、久慈が舞台のテレビ小説です。ヒロイン天野アキが、海女である祖母との出会いを経て、自分も海女を目指すようになり、やがて地元の町おこしのシンボルから都会のアイドルを目指して上京し・・・というアキの成長物語になってます。我が家では5歳の娘が、この「あまちゃん」を夢中になって見ています。アキが驚いた時に使う「じぇじぇ」というセリフにも、馴染んでしまいました。それで、あまちゃんの育った久慈の海を見てみたい!あまちゃんの食べてる郷土料理、「まめぶ」を食べてみたい!ということで、この夏は、久慈に一泊の「あまちゃんツアー」を企画したのでした。

 

 岩手山田町に父の実家があるので、久慈へは車で岩手から出発しました。まず初めに立ち寄った場所は、天候の都合もあり、海ではなくて、山になりました。久慈は国内唯一の琥珀の産地で、知る人ぞ知る琥珀専門の博物館があります。あまちゃんツアーの初日午前中は雨になりましたが、まずはその「久慈琥珀博物館」に、立ち寄ってみました。博物館本館は、装飾品や宝飾品の展示が中心だったりするので、ちょっと退屈しましたが、体験型の新館の方では、琥珀に秘められた不思議パワーを体験できる演出が色々あって、それなりに楽しめました。右の写真は「琥珀ポスト」です。琥珀のペンを使って、紙に水で願いごとを書いて投函するとその願いが叶うというので、さっそくやってみました。博物館の見学コースの終わりには、外へ出て、琥珀採掘坑道跡に入れます。ここは、・・・そうです、気持ちが行き詰まるとリフレッシュのためにアキが一人で叫んでいたあの琥珀の坑道そっくりです。というわけで、うちの娘にも、女優になりきって、セリフを叫んでもらいました。「おら、東京さ、行きたぐねぇ~!」

 

 さて、次に訪れた場所はこちら、道の駅くじ「やませ土風館」です。ここの観光センター「風の館」では、自由に海女の衣装を着られるというのですから、今回のツアーでここは外せません。さすがに、駐車場もほぼ満車。岩手県外のナンバーも見られ、けっこう賑わっています。さっそく、あまちゃんの衣装でパチリ。本人は、だいぶご満悦のようです。お昼時で、お腹も空いてきたので、こちらの道の駅のレストラン「山海里」で昼食をいただきました。海の幸たっぷりの丼物を堪能しましたが、娘は念願のまめぶ汁も注文しました。「まめぶ」というのは、クルミと黒砂糖を包み込んだ小麦粉の団子なのですが、団子が鞠麩に似ていることから「まめふ」と呼ばれ、のちに「まめぶ」となったと言われている、旧山形村(現在は久慈市)の郷土料理です。ドラマ「あまちゃん」で、「まめぶ汁」を全国に広めるべく、まめぶ大使として旅立った元海女のあんべちゃんのセリフ、「そばにしますか、うどんにしますか、まめぶにしますか」は、5歳の娘にも大ヒットしました。そして、どれどれ、そのまめぶのお味の方は・・・。うん、美味しい!とっても優しい味で、もっと何杯も食べたくなる感じでした。

 お昼を食べ終えた我々は、久慈駅近辺に車を停め、久慈駅や近くの「もぐらんぴあまちなか水族館」で遊んで時間をつぶしました。昼過ぎには雨もあがり、時間もまだあるので、この後、いよいよ小袖海岸へ行ってみることにしました。ところで、小袖海岸周辺は道路が狭い一方で、「あまちゃん」ロケ地見学者が多くなったこともあり、交通混雑の解消と地域住民の生活路線確保のため、観光目的でのマイカー規制をすることになったそうです。規制は、10月末日までの間、土・日・祝日に行われるそうです。この日は平日だったので海女センターの駐車場まで入れましたが、なるほど細くくねくねとなかなかスリリングな道でした。規制中は久慈市内の臨時駐車場を利用して久慈・小袖海岸間の臨時路線バスを利用することになります。

 小袖海岸と言えば、「あまちゃん」のタイトルバックでアキが走っている防波堤のある白い灯台ですよね。あの、防波堤の上は、立ち入り禁止で走れないようになっていましたが、下からずっと歩いて灯台まで行けました。それから、北限の海女さんの実演を見たり、ちょっと登って、監視小屋まで行ってみたり。あ~、ここがロケに使われていた曲がり角だね、とか、なんだかとってもミーハーな気分で、だけどとっても楽しんできました。

 夜は久慈市内に戻り、市内の旅館に一泊しました。

 

 二日目。小袖海岸は大体見てしまったので、今日はちょっと南下して他のロケ地を探しに行きました。北リアス線を辿るように国道45号線を南下すると、いくつか駅を過ぎて堀内駅に着きました。ドラマでは、「袖ヶ浜」駅となっていたかと思います。小さな無人駅でしたが、ホームに立つと海の見える、気持ちの好い駅でした。その少し先に、三陸鉄道大沢橋梁という大きなアーチ橋があるのですが、そこがよくドラマにも出てきます。どこから眺めるのがベストショットなのかなぁ・・・と探しているうちに、列車を2本もやり過ごしてしまい、橋の上を走る三陸鉄道を写すことはできませんでした。う~ん、残念。仕方ないからそのまま海岸に下りて、ちょっと波打ち際で遊んで帰りました。

 

 あっと言う間の、久慈・あまちゃんツアーでしたが、ミーハー気分全開にして、とっても楽しかったです。久慈の夜に食べた料理も、久しぶりに満足した海の幸でした。ただ、久慈の町を歩いていて思ったことは、ドラマ「あまちゃん」が終わってしまったら、久慈はまた寂しい町に戻るのかなぁということでした。あまちゃんフィーバーがこの町に残すものは、どんなものになるでしょうか・・・。