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桃源郷へ、再び。

 まだ、ルーが生まれていなかった時に、御坂の桃園の中でお花見をしたことがあるんだよ、という話をしたら、「私も行きたい」と、当然、ルーは言うので、今年は家族で出かける機会をうかがっていた。

 ところが、今年の桜がずいぶん早くに咲いてしまったように、桃の花も例年とはちょっと時期がずれたような、というか、3月末から4月にかけて、暖かいのだか寒いのだか、花見のタイミングをすっかりはぐらかされた日が続いた。

 それでもようやく、まだ見られる場所があるという情報を頼りに、先日の土曜日に御坂方面へと桃の花見へ出かけに行った。

 車は、「さくら公園」という場所の駐車場に停められたのだけれど、お弁当を広げられる桃園を探してウロウロと歩き回った。ルーから、「帰ったら反省会だね。」と言われる。桃園の農家の方にどこかで食べられませんか?と尋ねると、「そんなの適当に食べちゃっていいのよ」とのお返事。というわけで、適当な場所でシートを敷いて、お花見をさせてもらった。

 今回のお花見には、実は一つ目的があって、それは写生をするということだった。それでお弁当を食べ終わった後は、親子三人で、写生大会という運びとなる。

 ルー画伯は、「見ないでね、見ないでね」と言いながら、けっこう楽しそうに描いていた。