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ポラロイドカメラ

 ポラロイド社が、「インスタントフィルムの生産を2008年夏までに終了する」と発表した。(2月21日付、ポラロイドから大切なお知らせ)

 インスタントカメラの代名詞と言えば「ポラロイド」だよね。その、ポラロイドカメラがなくなるんだ・・・。ポラロイドカメラで思い出すのは、モンゴルを旅した時のこと。モンゴルの人(遊牧民)は皆、写真が大好きで、ゲル(遊牧民の移動性住居)の中にはペタペタとたくさんの写真が貼ってあったりした。そしてその多くは、外国人旅行者が残していったポラロイド写真だった。(雑誌の切り抜きや、古いフイルム写真なんかもあったかもしれないけれど。)モンゴルの大草原にいては、ちょっとフィルムを現像してくるなんてことはできないし、観光客が自分の写真を撮ってくれても送ってもらえることは稀だとわかっているから、遊牧民は旅行者のポラロイド写真を歓迎した。つまりはその場で貰えるから。一緒に旅をした人の中でも、ポラロイドカメラを持っていた人は大人気だった。自分も、今度モンゴルを旅する時にはポラロイドカメラを持って行こうって、思っていた・・・。

 ポラロイドがインスタントフィルムから撤退するのは、カメラのデジタル化が急速に進んでフィルムの需要が減少したことが最たる要因だろう。・・・そこで思い出したのは、ニコンがフィルムカメラ部門を大幅に縮小するとした2006年のニュースだった。自分はニコンのフィルムカメラF80を山でなくしてしまっていて(!)、やっぱりもう一度手に入れたいな・・・と思った時には、製産は既に中止されていたというわけだった。(もっとも、デジカメに買い換えるために家にあるフィルムカメラを手放す人も多いらしく、オークションなどの中古市場ではわりと出回ってはいるらしいけど。)

 幸か不幸か自分は、ポラロイドカメラは持っていない。いずれ使えなくなってしまうであろうそれは、歴史の遺物となるのか、あるいは希少なお宝となるのか・・・。でも考えてみたら、その場で現像した写真を手にできるカメラって、やっぱり貴重だったかも。だって、デジカメやプリンターがどんなに進化しても、移動先の屋外では、写真へプリントアウトは出来ないもの・・・。

 と思っていたら、ポラロイドから、インクをまったく必要としない「デジタルインスタントプリンター/カメラ」が、発売されることになるのだとか! これはなかなか凄いかも。米ポラロイド社の創業者で、インスタントカメラを発明した故エドウィン・H・ランド博士は、「将来は、デジタル化も視野に入れたインスタントカメラを開発したい」と語っていたのだとか。新製品は、今までのポラロイドカメラと違ってカメラと現像機器が一体化しているものではないようだけれど、デジカメと一緒に、携帯できるプリンターが開発されたということのようだ。しかも、インクなし!・・・。って、その秘密は、どんな紙にもプリントできるのではなく、つまりは印画紙に仕掛けがあるそうだ。そこは、これまでのポラロイド写真と同じ。てことは、印画紙の値段がけっこう高くなるのかな。

 でも、モンゴルへ旅行する時には便利そう! 2008年中には発売になるとか。ちょっと手に取ってみるかも、かも。