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地球冒険学校総会

 ちょこちょことお手伝いをさせていただいている地球冒険学校(正式名称は、「地球冒険学校準備会」)の総会が都立小山内裏公園の会議室であり、自分も世話人として参加してきた。

 冒険学校もこの春から3年目を迎えるわけだが、実はこの日の総会は、いつものとはちょいと意味あいが違っていた。今後、僕らの集まりが社会的な認証を受け、ますます幅広い活動ができるようにということで、NPO法人の申請をすることにしたのだ。それで、会員から法人化の承認を得るための、正式な手続きを踏んだ(?)総会となったのだ。なぜか世話人代表として開会の挨拶をした自分も緊張したよ。・・・ま、和やかな雰囲気で問題もなく会議も終わる。順調にこの集まりがNPO法人となれば、世話人の自分は法人の理事という肩書きになるよ。はは。

 総会の後は、公園に出て、みんなでバーベキューを楽しんだ。今朝のニュースで、高校生が女子中学生の殺人容疑で逮捕されたということを知ったばかりだったけれど、公園で走り回る子供たちを見ていて、この子たちを守るのは僕らの仕事なんだなぁと、当たり前のことをあらためて感じていた。

 

 特定非営利活動法人「地球冒険学校」準備会 設立趣旨書

 近年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化し、様々な社会問題が表面化している。青少年の犯罪や非行、薬物被害、学級崩壊、不登校、ひきこもり、児童虐待、等々が連日のように報道される。しかしこれらはほんの一部にすぎない。表面化する一部の青少年だけでなく、今、日本の大多数の子どもたちは傷つき、とまどい、苦しんでいるのではないだろうか。

 今の子どもたちが生きている社会を見ると、少子化や核家族化、地域のなかでの家庭の孤立化によって、子どもたちが人と深く関わる機会がどんどん少なくなってきている。学校でも能力主義による競争が友達関係に大きな影を落としている。またインターネットや携帯電話の急速な普及も子どもの世界を激変させている。もっと身近にあったはずの人との結びつきや人への信頼感が大きく揺らいでいる。

 だからこそ、子どもたちも大人も一緒になって、本来は人間を取り巻いている人の心と自然の恵みを取り戻したいと強く思う。それは、「人と人とのぬくもりのある関係」や「暖かく厳しい家庭」であり、「自由な遊びの空間」「澄み切った青空と満天の星空」「奥深い緑の森」のような大地や自然の恵みである。これらが、今の子どもたちの生活を潤し、豊かにしていくのではないだろうか。

 2003年春、このような思いから、障害児学校の教職員・卒業生・保護者が中心となり、手を取り合うようにして「地球冒険学校準備会」は設立した。この時から、人の心と自然の恵みを取り戻すための活動が始まった。障がいのあるなしに関わらず、いろんな人たちが一緒に活動することにより、よりよい人と人との関係が生まれ、みんなが一緒に楽しめる冒険の場になった。海外キャンプ、イルカとドルフィンスイムキャンプ、ハイキング、1泊雪遊び、デイキャンプなどの野外活動の他、お泊まりコンサートやミニ講演会、学習会などの文化活動も幅広く行ってきた。障がい児者も一緒に参加し、たがいにサポートしあいながら活動を楽しむことで、人とのふれあいや出会いを現在につなげてきた。

 約2年間にわたり、このような活動を継続してきたなかで、私たちは、<伸びやかな感性としなやかな知性を育てるための枠にとらわれない自由な冒険学校を作りたい。>という強い意志を持つに至った。会員それぞれが持つ教育・福祉・文化・子育て・地域・自然などの様々な分野での経験をいかし、幅広い活動を今後とも展開して行くつもりである。この「地球冒険学校準備会」を、青少年が広い視野とたくましい生活力、様々な特性を持つ人との共同や信頼の気持ちを身につけられるような、そのような活動の場にしていきたい。

 そのために、特定非営利活動法人としてこのような活動を広く呼びかけることにより、もっと多くの青少年や大人たちと共に活動したいと思う。また、このような活動の機会の少ない障がい児者の活動を広げるために、地域の障害児学校や関連施設への情報提供を円滑に行い、本会の活動を広く発展させ、今より広い範囲で社会に貢献していきたいと考えている。