· 

 沢木 耕太郎・著。新潮社。今さらだけれど、沢木耕太郎の『凍』を読み終えた。あわせて、塾長のお薦めのとおり、『垂直の記憶』も読み直した。(本当は、アコンカグアに出発する前に読了したかったのだけれど、いろいろとバタバタしていたので、ついダラダラと読んでしまった。)
 読んでいて、特に関心を惹かれたのは、極限状況での山野井さんと妙子さん(と言うより、主に妙子さんの方だけれど。)夫婦の描写だった。全くスケールは違うけれども、自分も妻を山に連れて行って、その時にはたしてお互いがどれだけ命を預け合えるのかなぁとか、考えてみたりもした・・・。カエちゃんは実際に、ネパールで山野井夫妻(その頃はまだ結婚はしてなかった?)に会ったことがあるそうで、その時、妙子さんを見て、まったく普通の人とは違う何かを感じたとか。
 傷ついてもなお、山野井さん達お二人が、また新たな山登りに挑戦し始めたことに、頭が下がります。
 『垂直の記憶』の中で山野井さんは、「山で死んでもよい人間もいる。そのうちの一人が、多分、僕だと思う。」と言っているが、ギャチュンカンからは彼は立派に生還してきた。・・・まだまだ、これからですよね。